昭和アニメの巨匠・設楽博臣の軌跡:『キャンディ・キャンディ』から『ゲゲゲの鬼太郎』へ至る演出美学と遺産
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設楽博臣の名を決定づけたのは、1970年代に社会現象を巻き起こした少女アニメ群における不朽の仕事である。とりわけ『魔女っ子メグちゃん』(1974年)と『キャンディ・キャンディ』(1976年)での功績は計り知れない。
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ライバル関係と成長を描いた『魔女っ子メグちゃん』
『魔女っ子メグちゃん』において、設楽は従来の幼年向け魔法少女ものから一線を画す、少し背伸びしたティーンエイジャーのドラマを展開した。主人公メグとライバルのノン。対極的な性格を持つ二人の少女が織りなす葛藤と友情を、洗練された映像美で描き出した。
日常のコミカルなシチュエーションと、魔界の女王の座を巡るシリアスな展開。設楽はこの二面性を巧みに交錯させ、大人の鑑賞にも耐えうるドラマツルギーをアニメ界に導入したのである。
金字塔『キャンディ・キャンディ』におけるシリーズディレクターとしての手腕
水木杏子原作・いがらしゆみこ作画の超人気マンガを映像化した『キャンディ・キャンディ』で、設楽はシリーズディレクター(監督)に就任した。過酷な運命に翻弄されながらも健気に生きる少女キャンディの波乱万丈な物語を、彼は圧倒的な演出力で牽引した。
ステアの死、アンソニーとの別れ、テリィとの愛の葛藤。重厚なドラマを扱う際、設楽は風の表現や影の落とし方といった環境描写を用いてキャラクターの内面を表現した。言葉以上に雄弁な映像演出。これが全国の視聴者を涙させ、最高視聴率25%を超える大ヒットへとつながった。