静寂を纏う土と釉薬:陶芸家・角掛政志が創り出す「用の美」の真髄
Uncover essential details about 静寂を纏う土と釉薬:陶芸家・角掛政志が創り出す「用の美」の真髄.
角掛政志の代名詞とも言えるのが「黒釉(こくゆう)」と「鉄釉(てつゆう)」です。一見するとシンプルな黒に見えますが、そこには緻密な技術と計算が隠されています。
土の選定とマットな質感を生む焼成の妙
金属を含んだ釉薬の配合や窯の中での温度変化により、焼き上がりの表情は劇的に変化します。角掛氏はツヤを極力抑えた独自のマットな質感を生み出すために、釉薬の厚みや焼きの加減を微細にコントロールしています。
指先で触れたときのわずかなざらつきと滑らかさのバランス。それは触覚を通して使う者に心地よい刺激を与えます。光の当たり方によって表情を変える質感は、量産品の陶磁器には決して真似のできない手仕事の結晶です。
切れの良さと美しさを両立する急須・ポットの職人技
角掛作品の中でも特に愛好家から絶大な信頼を集めているのが、急須や茶器の類です。焼き物の急須において最も重要視される「注ぎ口の水切れ」において、角掛氏の作品は群を抜いています。
お茶を注ぎ終えたとき、一滴も垂れることなくピタリと切れる感動。取っ手の角度、本体の重量バランス、茶こし部分の穴開けに至るまで、ミリ単位の精度で計算し尽くされています。道具としての完成度の高さが、日常のお茶の時間を至福のひとときへと変えてくれます。