銀座ジャンヌ・ダルクの真相|夜の街を動かした女性たちと知られざる歴史の光影
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昭和20年代半ば、東京・銀座は空襲の傷痕を残しながらも、驚異的なペースで復興の道を歩んでいた。占領軍のGHQ関係者が行き交う街角に、独自の美意識を掲げて開店したのが高級社交場「ジャンヌ・ダルク」だった。創業者は、フランス文化への深い造詣と類稀な審美眼を持つ人物であり、店内は当時の日本には珍しいヨーロッパ調の装飾で彩られていた。
当時の銀座は、単に酒を飲む場所ではなかった。戦後復興に向けた新事業の構想や、政界の密談が行われる「もう一つの国会」とも言える機能を果たしていた。ジャンヌ・ダルクの名は、中世フランスを救った少女のように、灰燼に帰した東京の真ん中で高らかに文化の灯火を掲げるという決意のあらわれでもあった。
店内に足を踏み入れれば、重厚なマホガニーの家具とクラシック音楽が客を出迎えた。ハイボールやウイスキーが高級品だった時代に、最高級の洋酒と行き届いたマナーを提供するこの店は、瞬く間に銀座の一流店としての地位を確立した。