1Mmの狂いが運命を分ける:ジャパンケーキショー「マジパン部門」に挑む職人たちの極致と造形美
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マジパンとは、アーモンドと砂糖を挽き潰して練り合わせた製菓用ペーストである。しかし、コンテストで使用されるマジパンは、市販の製菓材料をそのまま丸めるわけではない。職人たちは配合比率から徹底的にこだわる。
造形用マジパンは、アーモンドの油脂分と砂糖の結着力のバランスが生命線となる。アーモンドの比率が高い「ローマジパン」に、微細な粉糖とごく少量の水飴やトラガントガム(天然増粘剤)を加え、手熱で油分が浮き出ないよう慎重に練り上げる。油分が表面に出ると着色が弾け、乾燥が早すぎると表面にヒビが入る。手のひらの温度すらコントロールしながら、絹のように滑らかな生地をつくり上げる作業から競技は始まっている。
色彩と光沢を制御する着色技法
着色にも極めて高度な技術を要する。食用色素を練り込む「練り込み法」と、筆やエアブラシを用いて表面にグラデーションを施す「後着色」が組み合わされる。過度な水分はマジパンの構造を崩すため、使用する色素のアルコール濃度や乾燥速度まで計算しなければならない。本物の布地のような柔らかな質感を表現するため、職人たちは何層もの薄い色を重ね合わせ、陰影を創出していく。