風化と永遠が交錯する陶美:井口大輔が「銹陶」で描く土の記憶と世界的新潮
Explore the essential facts related to 風化と永遠が交錯する陶美:井口大輔が「銹陶」で描く土の記憶と世界的新潮 with our comprehensive overview.
井口作品の最大の代名詞が「銹陶(しゅうとう)」と呼ばれる独自の表面技法です。一見すると古代の鉄器や風化した青銅器のようでありながら、触れると陶土特有の温もりを含んでいます。
この異質の質感を成立させる工程は、気の遠くなるような手作業の連続です。成形後の素焼きを経て、自ら精製した籾殻灰釉(もみがらはいゆう)を作品全体に施釉。二度目の本窯での焼成を終えた後、作品を取り出し、金属製のワイヤーブラシを用いて表面を丹念に研磨していきます。
研磨の摩擦によって、釉薬の下に潜む微細な酸化層と土の粒子が浮き出します。光の当たる角度によって、鈍い銀色や赤錆色、深みのある漆黒へと表情を変える表面。数百年という時間の経過を土の上に一瞬で凝縮させたかのような視覚体験を、見る者に与えます。