大阪地下格闘技の真実: 闇と光が交錯する実態を追う
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最も深刻な問題は医療体制の不備だ。
公式の格闘技イベントでは、リングサイドに救急医療チームが待機し、ドクターストップ制度がある。しかし地下格闘技には何もない。怪我をしても救急車を呼べば警察が来るため、参加者は我慢するしかない。
大阪市内の救急医D医師は、地下格闘技と思われる怪我の患者を何度も診察している。「明らかに素手での殴打による顔面骨折や、関節技による靭帯断裂が多い。しかし本人は『階段から落ちた』などと虚偽の説明をする。感染症のリスクも高く、適切な治療を受けずに後遺症が残るケースも少なくない」。
脳損傷と長期的健康被害
最も恐ろしいのは脳へのダメージだ。反復する頭部への打撃は、慢性外傷性脳症(CTE)のリスクを高める。この疾患は認知機能の低下、うつ病、攻撃性の増加などを引き起こし、ボクシングやアメリカンフットボールの選手に多く見られる。
地下格闘技では、ヘッドギアもマウスピースもない試合が珍しくない。脳神経外科医のE医師は警告する。「若い時は自覚症状がなくても、40代、50代になって症状が現れる。取り返しのつかない後遺症になることを、参加者たちは理解していない」。